人工心臓

TAH & VAD

我が国においては心疾患は死亡率の第二位を占めており、毎年10数万人の人が亡くなっております。
米国においては、毎年150万人の人が急性心筋梗塞を発症し、60万人が亡くなっております。

現在、重症心臓病の治療手段として心臓移植がありますが、心臓提供者は世界的に不足しており、心臓移植が医療として定着している米国でさえ、心臓移植を受けられる患者は年間2000人程度です。

我が国においては、平成9年の臓器移植法案により心臓移植(脳死者からの臓器移植)が可能になりましたが、現在(2008年3月)までの心臓移植症例数は計50例と欧米に比して極端に少なく、海外渡航移植も含めて深刻な社会問題となっております。

重症心臓病のもう1つの治療手段として、人工心臓があります。
人工心臓には心臓を完全に置換する完全人工心臓(Total artificial heart)と、弱った心臓に取り付けて心臓のポンプ機能を補助する補助人工心臓(Ventricular assist device)の2種類があります。

現在までに、補助人工心臓は実用化され、心臓手術後の一時的補助や心臓移植待期患者の心臓移植までの繋ぎとして使用されております。
しかし、心臓移植までの待ち時間が数年と長期化する我が国の現状や、さらに合併症や年齢などの制約で心臓移植の適応にならない患者や、心臓移植後に拒絶反応が発生した場合なども考慮し、半永久的な治療手段が必要です。
このような現状を考えると体内にシステムを完全に埋め込みワイヤレスで電力を送信する体内完全埋め込み式のシステムが必要です。
また、心臓移植の完全な代替え手段としては最終的には 完全人工心臓 が必要です。

今後の展望

東京大学では、1959年より人工心臓の研究開発を行っており、1995年には、体外に駆動装置を置く空気圧駆動方式により、ヤギを用いて532日という完全人工心臓の動物実験では世界最長生存記録(現在でも最長)を達成いたしました。

この研究を基にして、現在、モーター駆動方式により駆動装置や制御回路も体内に埋め込む体内埋込式の完全人工心臓の研究開発を行っております。
この完全人工心臓は、世界最小最高性能を誇り、体重40kgの人へも埋め込み可能で、現在までにヤギを用いて抗凝固療法無しで153日の生存を得ております。

人工心臓を実用化するためには、大学レベルの研究開発では限界があり、大きな予算を投入して企業と大学との産学連携による本格的な開発が必要です。

iMed Japan Inc

iMed Japan株式会社は、東京大学と共同研究を行い、心臓移植の代替え手段となる 人工心臓 を開発いたします。

具体的な目標と致しましては、心臓移植の治療成績を凌駕する体内完全埋込式補助人工心臓および体内完全埋込式完全置換型人工心臓を、順次開発し実用化します。

人工心臓の開発には多大な費用と長い年月がかかります。
しかし、 体内完全埋め込み式のシステムが実用化されれば、心臓移植に頼ることなく多くの重症心臓病患者を救命できます。

本プロジェクトの趣旨をお汲み取り頂き、ご支援ご協力をいただけますことをお願い申し上げます。